同じ種目、重量、回数で行った2つのセットでも、感じ方は大きく異なることがあります。8回終えても十分な余力がある日もあれば、8回目が非常に厳しい日もあります。
RPE(自覚的運動強度)は、その違いを記録するためのシンプルな指標です。筋力トレーニングでは通常、正しいフォームであと何回できたと思うかを基に、セットのきつさを1〜10で表します。
RPEは重量、回数、フォームの代わりではありません。それらの数値に背景を加え、判断しやすくします。
RPEの意味
筋力トレーニングで特に使いやすいのは、RPE 6〜10です。
- RPE 10:最大努力。許容できるフォームでは、もう1回もできない。
- RPE 9:あと約1回できた。
- RPE 8:あと約2回できた。
- RPE 7:あと約3回できた。
- RPE 6:あと約4回でき、比較的余裕がある。
残っていた回数をRIR(Repetitions in Reserve:残り反復可能回数)と呼びます。実用上は、RPE 10=RIR 0、RPE 9=RIR 1、RPE 8=RIR 2と考えられます。
これは推定値であり、実験室での測定ではありません。8と8.5を完璧に区別できなくても役立ちます。
セットを評価する方法
メインセットを終えたら、同じ可動域と許容できるフォームで、あと何回できただろうかと考えます。
答えが2回なら、およそRPE 8です。もう1回も正しくできなかったならRPE 10です。
計画に書かれた数字ではなく、実際に行ったセットを評価してください。目標がRPE 8でも実際は9だったなら、9と記録するほうが次の判断に役立ちます。
RPEで重量を選ぶ
計画が「8回、RPE 8」なら、8回を安定して行い、約2回の余力を残せそうな重量を選びます。
最初のメインセットをフィードバックとして使いましょう。
- 8回でRPE 6なら、予定より軽めです。少し増やせる可能性があります。
- 8回でRPE 8なら、目標に合っています。
- 8回でRPE 10なら、重量または回数の目標が厳しすぎました。
- 目標回数の前にフォームが変わるなら、無理に続けず、そこで止めて見直します。
調整は小さく行いましょう。RPEは計画を微調整するためのもので、1回の感覚だけで大幅に変えるためのものではありません。
複数セットでのRPE
重量と回数が同じでも、通常は後のセットほどRPEが上がります。
- 1セット目:8回、RPE 7
- 2セット目:8回、RPE 8
- 3セット目:8回、RPE 9
これは妥当なパターンであり、セットごとに重量を変える必要があるとは限りません。
最初のセットから目標の上限に達する場合は、重量や回数を減らすか、休憩を延ばします。詳しくはセット間の休憩時間のガイドをご覧ください。
当日の状態に合わせる
睡眠、ストレス、食事、蓄積した疲労などでパフォーマンスは変わります。RPEを使えば、プログラムの目的を保ちながら当日の内容を調整できます。
通常は70kgを8回でRPE 8でも、今日はRPE 9.5かもしれません。その場合は重量を少し下げ、予定したきつさとフォームを守れます。調子のよい日は、同じ目標で少し増やせる場合もあります。
これをオートレギュレーションと呼びます。現在のパフォーマンスに基づいてセッションを調整する方法です。
RPEと進歩
重量と回数が同じでも、RPEは進歩を示します。同じような条件で60kgを10回行ったとき、RPE 9から7.5になれば、そのセットは楽になっています。
増量の判断にも使えます。目標RPEと安定したフォームを保ちながら回数範囲の上限に繰り返し達したら、少し増やせる可能性があります。詳しくは重量を増やすタイミングの見極め方をご覧ください。
RPEはプログレッシブ・オーバーロードと組み合わせて使うもので、その代わりではありません。目標は長期的に測定可能な進歩を作ることです。
よくある間違い
余力ではなく不快感を評価する
筋肉が熱くなったり息が上がったりしても、筋力の限界に近いとは限りません。主に、正しいフォームであと何回できたかを基準にします。
フォームの基準を変える
可動域を狭めたり、反動や補助を使ったりしないと追加できない回数は、元の基準での余力には含めません。
数値を完全に正確だと考える
RPEは主観的な推定です。0.5の違いを深読みせず、繰り返し現れる傾向を見ましょう。
すべてRPE 10にする
RPE 10は状態の説明であり、毎セットの目標ではありません。フォームと総運動量を管理するため、意図的に余力を残す計画も多くあります。
推定を上達させる方法
- 慣れた種目から使う。
- セット直後に評価する。
- 可動域とフォームの基準をそろえる。
- 後のセットや次回の記録と比較する。
- 重量、回数、休憩、RPEを一緒に記録する。
初心者は残り回数を誤って判断しがちですが、練習と正直な記録で精度は高まります。尺度を学ぶために、定期的に限界まで行う必要はありません。
ほかのデータと一緒に記録する
RPEだけでは情報が不足します。「RPE 8」は、種目、重量、回数、セット番号と一緒にあると役立ちます。
Smart Workout Diaryのアクティブワークアウトモードでは、対応種目の完了セットと一緒にRPEを記録できます。何を持ち上げたかだけでなく、どれほど大変だったかも比較できます。
RPEを計画と実際のパフォーマンスをつなぐ情報として使いましょう。目標を決め、同じ基準のフォームで行い、努力を正直に評価し、必要な最小限の調整を加えてください。