ベンチプレスに取り組む予定でしたが、ベンチが空くのを待つ間に、負荷の高い上腕三頭筋のトレーニングを数セット行いました。ようやくプレスを始めると、いつもの重量が重く感じます。これは必ずしも筋力が落ちたという意味ではありません。先に行ったトレーニングによって、条件が変わったのです。
種目の順番によって、どの運動に最も疲労の少ない状態で取り組めるかが決まります。まず準備をし、そのセッションで最も大切な運動を早い段階に置くことが、役立つ基本方針です。適切な順番は、目標、動作、そこから生じる疲労によって変わります。
最初の種目を選ぶ前に、優先したいことを決める
今日は何を一番練習したいのか、何を伸ばしたいのかを考えましょう。特定の種目で筋力を高めることが主な目標なら、その種目を早めに行うのが通常は合理的です。種目の順番に関する研究では、セッションの序盤に行う種目で筋力が向上しやすい傾向が示されています。
筋肥大については、どのような場合にも優れる一つの順番があるとは、研究で確認されていません。それでも、重点的に鍛えたい筋肉の種目を早めに置き、集中して取り組むことはできます。これはプログラムを組むうえでの選択であり、筋肉がより大きくなるという保証ではありません。
全般的な体力づくりが目標なら、予定したトレーニングをコントロールして終えられる、実用的で繰り返しやすい順番を選びましょう。完璧な順番を探すために、毎回セッションを組み直す必要はありません。
優先種目の前にも準備が必要
「最初の種目」とは通常、適切な準備をした後に行う、最初のメイン種目を指します。軽い運動や種目に応じたウォームアップセットは、ワーキングセットとは役割が異なります。重要な種目を早く行いたいからといって、省略しないでください。
後半に行う種目でも、特に動きや重量が大きく変わる場合は、軽めの練習セットが必要になることがあります。種目を最初に移すと、必要な準備の量も変わる場合があります。詳しくは、 ウォームアップセットとワーキングセット のガイドで、その違いを説明しています。
多関節種目を先に行う方針は、絶対的なルールではない
一般的な筋力トレーニングでは、スクワット、プレス、ロウなどの負荷の高い多関節種目を、比較的小さな筋群を狙う補助種目より先に置くことがよくあります。多関節種目は複数の筋肉を使い、集中力や動作の協調を必要とすることが多いためです。しっかり行いたい動作の前に、それらの筋肉を不必要に疲れさせないようにしましょう。
例えば、プレスの前に上腕三頭筋を強く疲れさせたり、引く種目の前にきついアームカールを行ったりすると、後の種目で発揮できるパフォーマンスが下がることがあります。意図的に単関節種目を先に行う方法は、予備疲労法と呼ばれることがあります。これは選択肢の一つであり、効果的なトレーニングの必須条件ではありません。
優先したいことによっては、単純な「大きな種目を先に」という方針よりも、別の順番が適切になります。補助種目を重点的に伸ばしたい人は、後の種目に影響が出る可能性を受け入れたうえで、その種目を早めに行うこともできます。プログラムに爆発的な動きや技術的に難しい動作が含まれる場合は、適切に準備した後、疲労が少ないうちに行うよう配置し、必要に応じて有資格のコーチの指導を受けましょう。
同じ種目でも、順番によって優先できることが変わる
ゴブレットスクワット、ダンベルベンチプレス、シーテッドケーブルロウ、トライセプスプッシュダウンを含むセッションを考えてみましょう。次の例は順番の選択肢を示すものであり、セット数、重量、休憩まで含めた完全なメニューではありません。
- 下半身を優先:ゴブレットスクワット、ダンベルベンチプレス、シーテッドケーブルロウ、最後にトライセプスプッシュダウン。
- プレスを優先:ダンベルベンチプレス、ゴブレットスクワット、シーテッドケーブルロウ、最後にトライセプスプッシュダウン。
どちらの順番でも、上腕三頭筋を直接鍛える種目はプレスの後に置いています。各動作に必要な準備も、それぞれ行います。上半身と下半身の種目を交互に行うと便利な場合がありますが、回復が不要になるわけでも、休みなく続けるサーキットにするべきという意味でもありません。
次のセットをコントロールして行えるよう、十分に休憩しましょう。種目を変えただけで回復できたとは限りません。休憩時間を決める際は、 セット間の休憩 のガイドを参考にしてください。
有酸素運動はいつ行う?
ウォームアップとして数分間軽く動くことと、負荷の高い有酸素トレーニングは別です。筋力トレーニングを優先するなら、疲労の大きいコンディショニング運動より先に行うことが、実用的な選択になる場合が多いでしょう。ランニングやサイクリングのセッションを優先したいなら、そちらのパフォーマンスを保つ順番を選ぶこともできます。
両方のセッションの負荷が高い場合は、予定が許せば分けて行うことを検討してもよいでしょう。有酸素運動はすべて最後に行わなければならない、というルールはありません。最もしっかり取り組みたい運動と、自分の回復の様子に合わせて順番を決めましょう。
ジムが混んでいるときは順番を調整する
使いたい器具が使用中なら、少し待つ、後に予定している適切な種目を先に行う、別の種目に置き換えるといった方法を検討しましょう。何かを前に移す前に、優先種目で必要な筋肉を強く疲れさせないか確認してください。器具が空いているかどうかは大切ですが、それだけで順番を決めるべきではありません。
順番を変えたら、後に行う種目の目標値を見直しましょう。動きをコントロールできないときに、いつもの重量や回数を無理に達成しようとしないでください。代替種目を選ぶ際は、 器具が使用中のときに種目を変更する方法をご覧ください。
Smart Workout Diaryに具体的なプラン変更を依頼する
AIコーチには、テキストや音声でプランの順番を変えるよう依頼できます。対象のセッション、種目、理由を伝えましょう。変えずに残したい部分も明確にしてください。
月曜日のプランで、ダンベルベンチプレスとそのウォームアップセットを、トライセプスプッシュダウンより前に移してください。プレスを優先したいです。他の種目、ワーキングセット数、反復回数、重量、目標RPE、休憩、トレーニング日は変えないでください。完了したセットは記録しないでください。
始める前に、保存された順番を確認しましょう。ウォームアップの位置と、維持するよう依頼した目標値も含めて確認してください。新しく最初になった種目に別の準備が必要なら、その調整を明確に依頼しましょう。コーチはプランを整理する手助けをしますが、今の体の状態やフォームを実際に観察しているわけではありません。
保存されたプランは毎週繰り返されます。一時的に順番を変えても、翌週に自動で元に戻るとは考えないでください。プランを編集せず、その日だけの助言が欲しい場合は、その範囲を明確に伝えましょう。
今日はベンチが使用中です。予定している種目は、ダンベルベンチプレス、ゴブレットスクワット、シーテッドケーブルロウ、トライセプスプッシュダウンです。プレスを優先したいです。使える器具で行う、今日の実用的な順番を提案してください。必要なら、何が空いているか質問してください。保存済みプランを変更したり、セットを記録したりしないでください。
ワークアウトの途中でプランを編集した場合は、続ける前に更新後のプランと保存された履歴の両方を確認してください。完了したセットは履歴に残りますが、プランの編集によって完了マークが変わることがあります。チェックマークがないからといって、終えたトレーニングを繰り返したり、再び記録したりする必要はありません。
順番を考慮して結果を比較する
予定した目標値だけでなく、実際に行った種目、重量、反復回数を記録しましょう。順番を変えた場合は、重要な種目をいつ行い、その前に何をしたかをコーチに伝えてください。保存されたプランだけで、実際に行った順番が分かるとは考えないでください。
種目を早めに移して回数が増えた場合は、疲労が少ない状態で行えたことが理由かもしれません。後ろに移して回数が減っても、それだけで筋力の低下を示すわけではありません。種目のバリエーション、器具、準備、休憩が同じような条件で比較し、きつさに意味のある違いがあれば説明しましょう。
過去2週間に記録したダンベルベンチプレスのセットを比較してください。今日は上腕三頭筋のトレーニングより前にプレスを行いましたが、前回のセッションでは上腕三頭筋のトレーニングの後に行いました。この変更を考慮し、進歩を判断する前に不足している状況説明があれば質問してください。セットを追加したり、プランを変更したりしないでください。
詳しくは、 トレーニングの進歩を記録する方法 のガイドで、役立つ比較の仕方を説明しています。公平な比較をしたいときは、毎回いくつもの条件を変えるのではなく、順番をある程度一定に保ちましょう。
次のワークアウトの前に、優先したいことを決め、そのための準備をし、その種目より前に何を行うかを確認しましょう。その判断に役立つようプランを使い、実際に終えたトレーニングを記録し、その日の事情に合わせて別の順番が必要なら、意図を持って調整してください。